CASE STUDY
導入事例
20年超の過去データを横断検索し、研究開発の立ち上げを加速
太陽ホールディングスが進めるナレッジ活用
太陽ホールディングス株式会社様 研究本部
- 業種
- 化学メーカー
- 事業内容
- 持株会社、グループ全体の経営方針策定および経営管理
- 従業員数
- 2,561名(連結)/176名(単体)(2026年3月末現在)
太陽ホールディングス株式会社では、エレクトロニクス材料を中心に、既存事業の強化と新規材料の開発を進めています。研究本部では、材料開発に加え、分析・解析業務や他社動向の調査などを通じて、コア技術の深化や新世代製品の創出に取り組んでいます。
研究開発の現場では、長年蓄積された研究データや分析レポートが重要な資産となります。一方で、テーマの長期化や担当者の異動により、過去の知見を十分に活用できないケースもありました。
経営層の視点でも、デジタルデータの保管が当たり前となって20年以上が経過する中、各担当者のPC、オンプレミスサーバー、クラウドストレージなどに研究データが分散し、組織全体としてデータ活用が複雑化していることが課題として認識されていました。
こうした背景から、太陽ホールディングスでは、過去データを横断的に検索・活用できる環境としてSTiVを活用しています。今回は、実際にSTiVを利用している研究本部の関口様・中村様・秋山様に導入前の課題や活用状況についてお聞きし、さらに研究本部部長の平井様からはマネジメント視点でのご意見や今後の展開についてうかがいました。
導入のポイント
研究データが複数の保管先に分散し、組織全体で十分に活用しきれていない。
複数の保管先を横断検索できる環境を整備し、過去の知見へ迅速にアクセス可能に。
担当者異動や若手比率の増加により、過去の検討経緯やナレッジの継承が困難。
材料名やキーワードから過去の検討内容を検索できる仕組みを構築し、知識継承を支援。
分析レポートや技術資料の確認に時間を要し、研究開発の立ち上がりに負荷が発生。
関連資料や根拠情報を素早く検索できる環境を整備し、調査・確認業務を効率化。
INDEX
過去の研究資産を活かし、研究開発のスピードと品質を高める環境が必要だった
ー STiV導入前、どのような課題がありましたか?
現場の実感としては、過去に実施した研究や分析の内容を、必要な時にすぐ取り出せないことが大きな課題でした。
研究開発では、一つのテーマが5年、10年と継続することもあります。その中で、「以前に同じようなことをやった気がする」という記憶はあっても、誰が担当していたのか、どこにデータが保存されているのか分からないケースが少なくありませんでした。
過去の担当者が積み上げてきた知見も、必要な時に取り出せなければ資産として活かすことができません。研究成果をもっと有効に活用できる仕組みが必要だと感じていました。
ー 現場では、具体的にどのような負荷が発生していましたか?
現場では、過去の検討内容を確認するために、人や資料を探すところから始めなければならない負荷がありました。
研究テーマは複数人で進めることが多く、担当者が変わりながら継続されていきます。従来は、詳しそうな人に聞いたり、共有フォルダやMicrosoft Teamsを検索したりしながら資料を探していましたが、それでも見つからないことがあり、探すだけで時間がかかっていました。
また、若手社員の場合、過去に同様の検討が行われていたこと自体を知らないため、「以前にやっていたかもしれない」という発想に至らないケースもあります。結果として、時間をかけて検討した後に、数年前に同じような評価や分析が行われていたことが分かることもありました。
研究開発でも活用できる可能性を感じ、グループ内サービスとして導入を決定
ー STiVを知ったきっかけを教えてください。
現場としてSTiVを知った当初は、製薬分野向けのシステムという印象が強く、研究開発部門での活用イメージはまだ持てていませんでした。
その後、研究データ活用に関する課題を社内で相談する中で、STiVが研究資料や技術資料の検索にも活用できることを知りました。過去の研究データを有効活用したいという課題と結びついたことで、本格的に検討を始めました。
ー 他サービスとの比較検討はありましたか?
AIツールとの比較というよりは、まず研究データをどのように整理するかという観点がありました。
例えば、サーバー上のデータをクラウドストレージへ移行して管理する案もありました。データを一か所に集約できれば検索しやすくなるのではないかという考えです。ただ、実際には膨大なデータがあり、整理や運用まで含めると簡単ではありませんでした。
そのような状況の中で、既存データを活かしながら検索性を高められる仕組みとして、STiVに可能性を感じました。
ー 機能面で評価したポイントを教えてください。
現場で最も評価したのは、過去の研究資料や分析レポートを横断的に検索できる点です。データの保管先が複数に分かれていても、必要な情報へたどり着きやすくなることは、日々の研究開発業務において大きな価値があります。
また、SharePoint環境(Microsoft)との親和性が高く、既存のアクセス権限を活かせることも大きなポイントでした。研究データには機密性の高い情報も含まれるため、アクセス制御を維持したまま利用できることは重要な要件でした。
研究本部部長 平井様より
検索者ごとのアクセス権限に応じて検索対象を制御できる点は、情報漏えいを防止しながらデータ活用を進めるうえで重要な機能として評価しています。
過去の研究データや分析レポートを活用し、研究開発の立ち上がりを支援
ー 現在はどのような業務で利用していますか?
現場では、過去の研究テーマや分析結果の確認に活用しています。
例えば、新たなテーマを担当した際に、過去にどのような検討が行われていたのか、どのような測定結果が得られていたのかを調べる用途があります。
また、研究本部では過去の分析レポートの検索にも利用しています。類似案件を探し、その時の分析方法や評価結果を参考にすることで、新しい案件の立ち上がりをスムーズに進められるようになっています。さらに、分析ガイドラインや医薬関連の規制文書などを検索する用途でも利用しています。
ー 利用していて便利だと感じる点はありますか?
現場で便利だと感じるのは、「あの資料のどこかに書いてあったはず」という曖昧な記憶からでも情報を探せる点です。
従来は、人に聞いたり、複数のフォルダを探したりしながら資料を探していました。場合によっては1〜2時間かかることもありましたが、STiVではキーワードが適切にヒットすれば数分で必要な資料にたどり着くことができます。
また、似たような材料や分析事例が見つかれば、その時の知見を活かして案件を開始できます。過去の知見をラフに把握したうえで、必要に応じて元資料を確認するという使い方ができるため、立ち上がりのスピードが大きく変わります。
情報を知っていそうな人を探して依頼するところから始める必要がなくなり、「まずはSTiVで調べてみよう」と思えるようになったことも大きな効果です。
ー 社員教育面での活用はいかがでしょうか?
現場の育成面では、若手社員や新たにテーマを担当する社員との相性が良いと感じています。
STiVがあれば、分からないことをまず自分で調べることができます。事前に調べたうえで相談することで、共通認識を持った状態で会話ができるようになります。中途入社者や異動者が新しいテーマを担当する際にも、過去の検討履歴を把握する入口として有効だと感じています。
ー どのように社内展開を進めましたか?
現在は、研究本部を中心に約30名規模で利用しています。
利用者の多くは研究開発担当者や分析担当者ですが、実際に使う中で効果を確認しながら運用を進めています。過去データの活用や分析レポート検索など、具体的な利用シーンが見えてきたことで、利用価値への理解も進んでいます。
さらなる活用拡大と、研究開発を支援するAI活用基盤への進化に期待
ー 今後の課題について教えてください。
現場としては、まず研究部門内での活用をさらに広げていくことが課題です。
研究開発の立場からは、過去データを検索するだけではなく、その知見をもとに次のアクションを提案してくれるような活用にも期待しています。蓄積されたデータを踏まえて、次に何を検討すべきかまで示してくれるようになれば、研究開発の進め方そのものが変わる可能性があります。
また、現在は研究開発部門を中心に利用していますが、管理部門にも多くのナレッジが蓄積されています。そうした部門にも展開できれば、組織全体で知見を活用できる環境に近づくと考えています。
研究本部部長 平井様より
STiVが若手社員から管理職、さらには経営層に至るまで、あらゆる層にとって効率的なデータ活用ツールとなり、会社の成長に寄与することを期待しています。今後は、検索ツールとしての機能に加え、AIエージェント的な機能など、さらなる進化にも期待しています。
ー 最後に、同じような課題を抱える企業へメッセージをお願いします。
現場の立場から見ると、研究開発部門では、過去の試験結果や分析データが非常に重要な資産になります。しかし、それらが十分に活用されていないケースは少なくありません。
長年にわたり研究活動を続けている企業ほど、膨大な知見が組織内に蓄積されています。それらを活かせずに同じ検討を繰り返してしまうことは大きな損失です。
私たちも導入前は、「本当に使えるのか」という部分はありました。しかし実際に利用してみると、過去データを探す負荷の軽減だけでなく、若手社員の知識習得や研究テーマの立ち上がり支援など、さまざまな効果を実感しています。
研究本部部長 平井様より
研究開発においてナレッジをどれだけ有効活用できるかは、スピードや品質に大きな違いを生みます。同様の課題を抱えている企業であれば、一度試してみる価値は十分にあると思います。
研究本部部長 平井様より
過去データの活用は研究開発のスピードや品質の向上に加え、若手社員の育成にも関わる重要なテーマとして捉えています。現場と経営層の双方で、研究データを組織の資産として活かす必要性が共有されていたと感じています。