CASE STUDY
導入事例
製品仕様・社内規定・法令を横断検索
アズビルが進めるメンテナンス業務のAI活用
アズビル株式会社様 サービス本部 サービス企画部 企画管理グループ
- 業種
- 製造業
- 事業内容
- 計測・制御機器の開発・生産・販売・サービス
- 従業員数
- 5,143名/連結:9,170名(2026年3月31日現在)
アズビル株式会社では、計測と制御の技術を基盤に、「ビルディングオートメーション(BA)事業」「アドバンスオートメーション(AA)事業」「ライフオートメーション(LA)事業」の3事業を展開しています。サービス本部では、納品後のシステムメンテナンスからリニューアル対応までを担っています。
近年、建物市場における改修・リニューアル需要が拡大する中で、従来のメンテナンス業務に加え、中小規模の建設工事を担当する機会も増加していました。これにより、現場担当者には従来以上に幅広い知識が求められる状況となっており、製品仕様だけでなく、法令や社内規定を含めた情報確認の重要性も高まっていました。今回は、こうした背景の中で進められたSTiV導入の経緯や活用状況、現場業務における変化についてお話を伺いました。
導入のポイント
建設工事対応の拡大により、製品仕様・法令・社内規定など確認すべき情報が増加。
仕様書・業務標準・社内規定を横断検索できる環境を整備し、現場での情報確認を支援。
取扱説明書や社内資料から「あの資料に書いてあった」を探す工数が発生。
回答だけでなく関連資料や該当箇所を根拠付きで提示し、検索・確認業務を効率化。
問い合わせ対応や監査対応の増加により、現場・管理部門双方の負荷が増加。
30名規模での試行導入を経て、約1,000名規模で利用可能な環境を整備し、メンテナンスサービス領域での活用を推進。
INDEX
建設工事領域の拡大により、メンテナンス部門で求められる知識が増加
ー STiV導入前、どのような課題がありましたか?
メンテナンス部署では、新製品だけでなく、既存製品や旧型機器も含めた幅広い製品知識が必要になります。さらに、建設工事領域への対応拡大に伴い、建設業法や下請法、工事関連の社内規定など、これまで以上に確認・理解すべき内容が増加していました。
工事案件は担当者単位で進行するケースも多く、担当者自身がルールを理解していなければ、知らないうちに法令違反につながるリスクもあります。また、現場では「自分が知らないルールを守れていないのではないか」という不安を感じる場面もありました。
加えて、働き方改革によって残業時間を抑制する必要がある一方で、対応しなければならない業務量は増加していました。人員が大きく増えるわけではない中、現場担当者の負荷は高まっていました。
ー 現場では、具体的にどのような負荷が発生していましたか?
従来のメンテナンス業務に加えて、新たに工事対応を進める中で、これまで関わる機会の少なかったルールや規定を理解する必要がありました。例えば、建設業法や下請法、工事関連の社内規定などです。
また、現場側だけでなく、問い合わせを受ける管理部門側の負荷も増加していました。現場からの確認や相談が増えたことに加え、社内監査や現場監査への対応も発生しており、部門全体として業務負荷が高まっていました。
「根拠付きで回答されること」を評価し導入、利用拡大を見据えてコスト面も評価
ー STiVを知ったきっかけを教えてください。
インターフェックスWeek東京という展示会でSTiVを知りました。その際、製薬業界で利用されているサービスであることから、情報セキュリティ面も含めて信頼性が高い印象を受けました。その後、サービスサイトなども確認し、直接問い合わせました。
ー 他サービスとの比較検討はありましたか?
社内ではMicrosoft Copilotの活用も進めています。一方で、1,000名規模で利用する場合、アカウント課金型サービスではコスト負担が大きくなります。その点、STiVは利用人数が増えた際のコストメリットが大きく、導入判断の一つになりました。
また、将来的には協力会社との利用も視野に入れていたため、その観点でも活用可能性を感じていました。
ー 機能面で評価したポイントを教えてください。
選定当時、社内ではRAGのような仕組みを本格的には活用していませんでした。その中で、STiVは登録された資料をもとに回答を返す点に特徴がありました。
一般的な生成AIでは、情報がなくても回答を生成するケースがありますが、STiVでは情報が存在しない場合、はっきりと「情報がありません」と返答されます。また、回答だけではなく参照元資料も表示されるため、根拠を確認しながら利用できる点にも安心感がありました。
現場での「検索」と「確認」を支援、「どの資料に書かれていたか」に簡単にたどり着く
ー 現在はどのような業務で利用していますか?
現在は、メンテナンス業務全般で利用しています。例えば、製品トラブル発生時に代替機種や型番を調べたり、製品仕様を確認したりする用途で活用しています。
従来は、取扱説明書やスペックシートを個別に確認する必要がありましたが、STiVを利用することで必要な情報へアクセスしやすくなりました。また、社内ルールや業務標準を確認する用途でも利用しています。
また法令関連の確認も、最終的な判断や重要な事項は法務部を巻き込んで確認を行いますが、現場の担当者レベルでの一次的な法令の内容確認や判断でも活用しています。結果、バックオフィス部門の問合せ負担軽減にも寄与しています。
これらの確認作業を、担当者自身が施工現場に出向く前の自席や、現場でタブレットから簡単に行うことで、作業効率化や業務属人化の解消につながる環境ができつつあると感じています。
ー 利用していて便利だと感じる点はありますか?
「あの辺の資料に書いてあった」というレベルの記憶でも、関連資料や該当箇所へアクセスしやすくなった点は利便性を感じています。
従来は、仕様書や社内資料を複数確認しながら必要情報を探していましたが、STiVでは関連資料を横断的に検索できるため、必要情報への到達が容易になりました。また、回答と合わせて参照元資料が表示されるため、「どの資料に書かれていた内容なのか」を確認しながら利用できる点も評価しています。
ー 社員教育面での活用はいかがでしょうか?
教育資料や業務標準も登録しているため、「キャリアアップのために何を学ぶべきか」といった内容にも回答できます。例えば、「何年目までにどの資格を取得すべきか」といった内容を確認できるため、人材育成や自己学習用途としての活用可能性もあります。
また、社内用語や業務知識など、インターネット検索では確認できない内容を調べられる点も、新人教育との相性が良いと考えています。
ー どのように社内展開を進めましたか?
まずは、建設工事関連のタスクメンバー約30名で利用を開始しました。期間としては3〜4ヶ月程度です。
その中で、「どのような場面で役立ったか」「どのような効果があったか」といった事例を収集しました。すべてが高評価だったわけではありませんが、ポジティブな意見も多く、運用を拡大していく判断につながりました。
現在は、約1,000名規模で利用可能な環境を整備し、メンテナンスサービス領域での活用を進めています。
さらなる利用拡大と継続運用を推進、協力会社への活用展開も視野に
ー 今後の課題について教えてください。
まずは、利用者を増やしていくことが課題です。実際に利用することで便利さを理解できる部分も多いため、今後は活用事例を整理しながら、「どのような業務で利用できるか」を明確にし、展開を進めていく方針です。
また、登録資料についても、改定があれば継続的に更新していく必要があります。資料を登録して終わりではなく、継続的に運用・管理していくことも重要なテーマとなっています。
ー 最後に、同じような課題を抱える企業へメッセージをお願いします。
クラウドサービスに対してハードルを感じる企業は少なくありません。一方で、現在は多くのサービスがクラウド化されています。
契約やセキュリティ面を整理したうえで、まずは実際に利用してみることが重要だと考えています。また、利用人数が増えると、ID管理やログイン管理など運用面での課題も発生します。そのため、セキュリティや運用を含めて段階的に整備していく必要があります。
今後は社内利用だけでなく、協力会社との活用も視野に入れながら、さらに活用範囲を広げていく予定です。