CASE STUDY
導入事例
「ムヒ」100年の品質を支える
池田模範堂における薬事・品質DXの取り組み
株式会社池田模範堂様 信頼性保証部 品質保証グループ
- 業種
- 製造業
- 事業内容
- 医薬品の製造・販売
- 従業員数
- 355名(2026年4月現在)
OTC医薬品「ムヒ」シリーズで知られる株式会社池田模範堂では、品質保証・薬事領域において、分散した情報の検索性や属人化といった課題を抱えていました。その解決のため、同社は製薬業界に特化したナレッジ活用基盤であるSTiVを導入しました。過去事例やレギュレーション情報を横断的に活用できる環境を構築することで、業務効率の向上と品質レベルの底上げを実現しています。同社におけるSTiVの具体的な活用方法や導入効果、今後の展望について、信頼性保証部 品質保証グループのみなさまに詳しく伺いました。
導入のポイント
過去からの古い紙資料が蓄積されており、必要情報が迅速に検索できない。
検索性の向上による、情報検索時間の大幅短縮。
紙資料や複数システムに情報が散在し、業務への活用が難しい。
情報の一元的な取り扱いによる、問い合わせ対応・調査業務の効率化。
調査や判断が担当者の記憶に依存しており、業務が属人化している。
ナレッジ蓄積・活用による、属人化の解消と業務スピードおよび品質の向上
INDEX
「ムヒ」100年の品質を支える膨大な知見を、いかに迅速に引き出すか
ー 株式会社池田模範堂の会社概要や特徴を教えてください
池田模範堂は、OTC医薬品を中心に製造・販売を行う製薬企業であり、かゆみ・虫さされ薬「ムヒ」シリーズをはじめとした製品で広く知られています。
「唯一無比」の効き目を追求し続けてきた当社は、2026年に「ムヒ」発売100周年を迎えるなど、長年にわたり生活者の肌の悩みに貢献してきました。
ー 信頼性保証部 品質保証グループのミッションと業務内容を教えてください
当グループでは、医薬品の品質保証および薬事対応を中心に、製品の安全性・信頼性を担保する重要な役割を担っています。具体的には、法規対応や監査対応、問い合わせ・照会対応、トラブル(異常・逸脱)対応などが中心となります。
また、品質保証業務と併せて、生産業務のデジタル化推進の業務も担当しており、導入したデジタルツールの活用拡大などの役割も担っています。
ー STiV導入前の課題は何でしたか?
導入前は、情報の検索性に関する課題を強く感じていました。例えば、過去のイベント情報や検討事項について、必要な情報がすぐに見つからず、結果的に担当者の記憶に頼って確認するケースが多くありました。
判断の根拠となるデータ自体は存在しているものの、保管場所が分散していたり、過去から蓄積された紙媒体の資料に記載されていたりと、業務の中ですぐに取り出せないという状況も発生していました。
製薬特化の機能性と、既存システム連携を見据えた「伴走支援」を評価
ー STiVを知ったきっかけを教えてください
インターフェックスWeek東京という展示会で、製薬業界をターゲットとしたナレッジ管理ツールとしてSTiVを知りました。当初は、国内外の薬事情報をまとめた薬事データベースなど、製薬企業の品質保証・薬事領域に特化したオプションサービスがある点に新しさを感じました。また、他社での導入・検討実績がある点も後押しになりました。
ー STiVを選んだ決め手は何でしたか?
過去の品質イベント情報がすでに導入済みのシステムに蓄積されていることから、当社としてはそのシステムとの連携可能性を重視していました。要望として伝えたところ、PoC段階から前向きに検討いただいたことから、「導入して終わりではなく、その後も機能のアップデートや伴走支援がある」と感じられた点を評価しました。
また、STiVの文書検索性の高さも評価しています。従来は時間を要していた情報検索を迅速に行える点や、分散していた情報を一元管理できる点にも、大きな魅力を感じました。
OCRによる手書き文書のデータ化や、AIによる原因分析で業務を効率化
ー 現在、どのような業務でSTiVを活用していますか?
主に資料作成・改訂時の情報検索や、根拠データの検索に活用しています。教育資料の作成・改訂や運用見直しの業務では、レギュレーションや過去事例を横断的に参照できるため、最新の法令やガイドライン・通知文などの外部文書や、自社事例を反映した内容の作成を効率的に行えています。
また、監査や他社訪問時に工場内で作成した手書き文書を、STiVのOCR機能によりテキストデータ化し、帰社後の文字起こしや報告書の素案作成に活用しています。
さらに、試験的に逸脱報告書を元にした特性要因図の作成やなぜなぜ分析にも利用しています。現在のAIは、人間が思いつくレベルよりさらに一段深掘りした分析や是正措置を、短期・中期・長期に分けて提示してくれます。STiVに素案を出させ、人間がそれをブラッシュアップしていく形で、活用していけるのではないかと感じています。
ー 導入前の課題は解決されましたか?
導入後は、情報検索にかかる時間が大幅に短縮され、問い合わせ対応や調査業務の効率が向上しました。
また、情報の一元化により属人化の解消にもつながり、業務全体のスピードと品質が向上したと実感しています。例えば、報告書作成においては、OCR機能による手書き文書の読み取りと素案作成に活用することで、従来1時間かかっていた業務を30分程度に短縮することができました。
ー 製薬業界や同じような部署において、どのようなケースでSTiVは特に有効だと思いますか?
STiVは紙の資料と電子データが混在する環境において、それらを一つのツールで管理・活用できることは、非常にメリットだと思います。この2種類が混在していて利活用が進められていない企業にとって、この点は便利だと思います。
社内ハッカソンでAI活用を加速。既存システム連携によるさらなる高度化へ
ー 次に取り組みたい課題があれば教えてください
全体としては改善が進んでいるものの、社内ドキュメント管理の面では依然課題が残っています。まだSTiVに格納できていない資料が多数存在していることと、それ以前に全社的なデータ管理ルールの統一が進んでいない点も、課題として残っています。
課題というわけではありませんが、今後は品質管理領域など周辺のグループにも展開し、活用範囲を拡大できたらと考えています。
ー 今後チャレンジしていきたいこと、その中でのSTiVでの活用イメージがあれば教えてください
今後はAIの浸透を目指してハッカソンの実施を検討しています。STiVを含むAIツールを業務でどのように活用できるか、一人で考えるのではなく、社内から幅広くアイデアを募りたいと思っています。
また、現在は導入していないのですが、文書の改定案をSTiVが作成する「文書チェック/作成支援機能」にも興味を持っています。人手不足が進んでいくなか、いかに少ない人数で業務を回していけるかは継続的な課題と捉えています。
さらに、導入の決め手にも挙げた既存システムとの連携には大きく期待しています。既存システムに多くの情報が蓄積されているので、それもソースとして活用できれば、業務効率化と業務の質的な向上が実現できるだろうと考えています。